シドニー【観光】

大改修を終えリニューアルしたハイドパークにある「Anzac Memorial(アンザック戦争記念館)」を見学


 

シドニー中心部にある公園、Hyde Park(ハイドパーク)に佇む立派な建物「Anzac Memorial(アンザックメモリアル)」はオーストラリアの戦争記念館。

過去の戦争で国のために勇ましく戦った軍人たちを慰霊する目的で建てられたものです。

内部には過去の戦争の遺品や資料などが遺されており、誰でも無料で入場し見学することができます。

今回はこちらの記念館を訪れオーストラリアの歴史を垣間見ていこうと思います。

 

 

Anzac Memorial(アンザック メモリアル)

 

 

シドニーのCBD(セントラルビジネスディストリクト:商業地区)に位置するハイドパークの南側に建つアンザックメモリアルは、過去の戦争で命を落とした軍人を慰霊するための記念碑、および戦争記念館だ。

今から約85年前に建設されたこちらの建物は、大きな人型のレリーフや像が外壁にあしらわれたヨーロッパのアールデコスタイルの建築物である。

この記念館は毎年ANZAC DAYと呼ばれるオーストラリアの祝日に行われる慰霊式典の会場として、またその他重要な行事の際に利用されている。

元々この記念館は 第一次世界大戦でオーストラリアとニュージーランドの連合軍がトルコのガリポリに上陸したことを記念に基金を募り建設されたものであった。

現在では広義には過去の戦争や平和維持活動で命を失った全ての人々を偲び慰霊するという見方がなされている。

定期的にメンテナンスが行われてきたこの記念館だが、ちょうど昨年の2018年に長期に渡り行われていた大改修が完了したところだ。

展示スペースやホールなど新しい施設が完成したので、これを機会に是非訪れてみて欲しい。

 

 

新たにオープンしたThe Hall of Serviceを見学

 

 

新しくオープンしたエリアがこちらです。

池の間を抜けるように地下通路に進んでいくと、記念館の手前地下にある大きなホール(エントランス)に辿り着きます。

そこがThe Hall of Serviceです。

 

Bas Reliefs

 

 

館外や館内でよく見られるこれらの精巧なレリーフ。

それぞれにストーリーがあり、全てその当時の写真や事実をもとに忠実に再現されています。

建物外壁に取り付けられているブロンズ製のレリーフは横幅10メートル以上、高さも1メートルあり圧巻。

そちらも是非チェックしておいて下さい。

 

The International Soil

 

 

オーストラリアにとって軍事的関わりのある重要な戦地や土地100ヶ所から集められた土が展示されているThe International Soilも注目です。

この中央床にある土のリングはオーストラリアの歴史を表しています。

環は年代順に並べられており、古いものではニュージーランドの植民地戦争から、新しいものだとイラク戦争などがあります。

ここではオーストラリアが辿ってきた歴史をちょっと変わった視点で感じとることができます。

 

The Home Soil

 

 

壁にはThe Home Soilと呼ばれるシドニーが属するNSW(ニューサウスウェールズ)州にある市や町の全地域から寄与された土のコレクションがあります。

その合計は何と1701ヶ所。ホール中心の環を囲むように壁一面に展示されています。

Fiona Hallというアーティストの案で15ヶ月もの歳月をかけて集められたこれらの土には、見る者が制作者との深いつながりと共感を感じられるようにという思いがこもっているそうです。

 

Art Space

 

 

アートスペースでは様々な写真が絵画風に展示されています。

軍事関連の施設で働く人々に焦点を当てたものがほとんどです。

恐らくこのスペースは定期的に展示物が変わるようで、行く時期により違ったアートワークが見られるでしょう。

 

Exhibition Gallery

 

 

こちらのエキシビジョンギャラリーでは戦争に関する遺品や資料が展示されているスペースです。

オーストラリアの兵役の歴史、そのなかでもとりわけ個人のストーリに焦点を当てた内容となっています。

 

 

当時のユニフォームや勲章、他にはピストルや剣など様々な遺品が保管されています。

 

 

旧日本軍に関する内容はオーストラリアではよく語られる歴史です。

そのため 国内の歴史博物館に行くと日本が関わったとされる資料を多く見かけることができます。

第二次世界大戦下では、オーストラリアにとって日本は1つの脅威であったとも言われています。

 

 

このように当時の戦闘地の様子も模型で再現されていたりと展示物にも凝っています。

ただ ギャラリー内の説明文は全て英語ですので、英語が苦手な方ですとちょっと理解が難しいかもしれません。

ですが、とても立派な建物と展示内容なので見るだけでも十分価値はありますよ。

 

太陽の光が地下に降り注ぐOculus(‘眼’という意味)

 

 

戦没者の魂を鎮めるHall of Silence

 

 

地下ホールから階段で上にあがると、以前からある本館の方へ進むことができます。

建物の中心部にあるこのHall of Silenceには’’Sacrifice(犠牲)’’という名のブロンズ像が置かれています。

古代ギリシャのスパルタ戦士の物語を基に制作された像で、盾の上で亡くなった戦士が愛する者に運ばれる姿を彫刻にしたものだと説明されています。

’Sacrifice’’は1934年に発行された「BOOK OF THE ANZAC MEMORIAL」という本にこのように記されています。

 

「この像は偉大で劇的な力と共に来世に渡ったAnzacの軍人の魂が横臥した姿を描いている。そして最も愛されていた者、母・姉妹・妻やその子供により高く掲げられた盾の上で運ばれたその体は彼の人生を奮起させた勇気・忍耐・犠牲の精神の象徴としてそこに横たえられています。そこには華やかさも、無駄な名誉も、美しさも無い。むしろ悲劇、無慈悲な現実、苦い真実があるだけだ。しかしこれは戦争の残酷さやそれが生み出す苦しみだけでなく、全人類の崇高な義務の為の自己犠牲の本質を伝えているのは紛れもない事実だ。」

 

少し難しい内容ですが、つまりこの像は単純に戦争で亡くなった軍人への哀れみの念を表したものではないということです。

製作者はどのような人間にでも持ちうる自己犠牲の精神を伝えたかったのかもしれません。

とても意味の深いこちらのブロンズ像、ぜひ一度は目にして色んな思いを巡らせてもらいたいものです。

 

 

歴史を知ることも観光のひとつ

 

 

シドニーの中心地にあるため簡単に訪れることのできるアンザックメモリアル。

本当に立派な建物で「築80年以上も経ってるの?」と思うくらい綺麗で美しい外観をしています。

池の周りは静かで穏やかな雰囲気が漂っており、ゆっくり休憩するために訪れるのも良いでしょう。

もし歴史に興味があるのであれば、是非内部に入って展示スペースをご覧ください。

訪れる国の歴史を知るということは、その国の本当の姿を知ることなのかもしれません。

 

(夜のライトアップされたアンザックメモリアル)

 

Anzac Memorial>

 

開館日 Good FridayとChristmas Day以外毎日開館

●開館時間 9:00~17:00

入館 無料